不景気になって売れないモノと売れるモノ‐チャンスの神には前髪しかない

サトウ食品工業株式会社、サトウのごはんとかサトウの切り餅の製品主ですが。
つい先頃の21年4月期決算で「CMを減らして営業利益を上げた」そうです。


以下引用
【平成20年度産うるち米価格や包装資材等の製造コスト上昇を吸収すべく、
 販売促進費の削減に努めるとともにテレビCMの抑制を行いました。
 その結果包装米飯の売上高は127億43百万円(前年同期比ー5.8%)
 となりました。

 利益面につきましては、
 売上高の減少や原材料費及び燃料費等の製造コスト上昇により
 収益を圧迫する状況となりましたが、広告宣伝費及び販売促進費等の販売費
 及び一般管理費の削減に加え受取手数料の増加により、
 営業利益は9億66百万円(前年同期比6億64百万円増)、
 経常利益11億98百万(9億35百万円増)、
 当期純利益6億60百万(同1億41百万円増)となりました。】以上


当期製品製造原価は前年比7億25百万円増。
広告宣伝費が同6億02百万円減。
販売促進費は同7億35百万円減。


確かにおっしゃる通りの数字になっていますが…
広告屋の人間だから言うわけじゃないのですが
「広告が減ったから売り上げが減った」可能性は検証されたのか、と考えます。


もちろん、広告を前年並みに投下してたら売上が確保できていたかは不明だし、
前年比並みの売り上げでは製造原価上昇分だけ利益を損なう。
期首棚卸原価も減っているから「高い時期に作る」のは避けた形跡があるが
それでも前年の営業利益が3億程度だったことを考えると
前年並みの売り上げでは営業利益がマイナスになってた可能性が高い。
そういう意味では21年4月期の数字は一つの正解、結果として。


しかし、原価上昇など製造面では向かい風だったようですが、
昨年は売上面では追い風だったのでは?と思ったりもします。


なぜなら外食産業が昨年は苦戦していました。
社団法人日本フードサービス協会によると
2008年はの外食全業態トータルの年間の全店売上は、
前年比101.3%なのですが、業態別の売上は、
 ファーストフード   103.7%
 ファミリーレストラン  98.4%
 パブ/居酒屋     100.0%
 ディナーレストラン   98.9%
 喫茶         102.8%
 その他        103.1%
ということでファーストフードばかり売れてたんですね。


特にレストラン系が苦戦している。
「ハンバーグを止めて、ハンバーガーにしておこう」という消費者心理ですね。
こんなことは数字をあげなくても見えていることなのですが、職業柄なので(苦笑。


このファーストフートの前年比3.7%増はどんなもんなのかという数字が
社団法人日本フードサービス協会のサイト内では見つからないのですが…
富士経済研究所によれば2005年で2兆3,917億円!
2兆の3.7%は740億円!


獲得できたかもしれない740億円分の市場があったと言えるでしょう。
(ざっくりすぎますがこれくらいで勘弁してください)


もちろんレストランに行くのはファミリーが多いので
サトウのごはんのターゲットとはちょっと異なったかもしれません。
しかし「不景気→外食控える→中食、家食が増える→主食の米飯が増える」という
図式は成立していたかもしれません。


歴史にたらればはないし、上場企業は利益上げたら勝ちだし、
僕はサトウ食品工業ステークホルダーでもないので、この一言で最後にします。


サトウ食品工業に出入りしている広告代理店は何をやってたのやら(苦笑」