ライフハックなTIPSと常識・礼儀・マナーは違う

『人生をバラ色にする7つの生活習慣』
(1)バラ色のコンタクトをしよう
(2)部屋のインテリアをバラ色にしよう
(3)PCのデスクトップをバラ色にしよう
(4)バスタイムは薔薇の香りの入浴剤を
(5)週末はロゼのワインでゆっくりとリラックス
(6)散歩のコースはもちろんバラ園
(7)食事はもちろんバラ肉で
というような記事が今、世に溢れています。

世に溢れているということは人気があるということです。
人気の要因として一つ考えられるのは「分かりやすさ」です。

ボクのコンサルタント時代の師匠に教わったのは
マッキンゼーでは1Pに3つのことしか書かない。
 何故なら人間、一度に理解できるのは3つくらいだからだ」ということです。
果たしてマッキンゼーが元祖かどうか分かりませんが、
代理店時代に書き散らかしていた企画書とプレゼンとその結果を思い出して
とても自分の腑に落ちたことを覚えています。
自分に興味があることだったら3つではなく5つ、7つと頭に入るでしょうし、
一桁の数ですから「たったこれだけで」という感じは損なわれない。

今ぶつかっている壁を「たってこれだけで」解決してくれる「素晴らしい!」情報。
人気がでるのも分かりますね。


かくして世に奇数が溢れるワケです。
(なぜか偶数の記事はあまり見ません)
『あなたの婚活を成功させる5つのコミュニケーション術』
『新人教育で抑えるべき7つのポイント』
『時間を有効に使うオススメアプリ5つ』
いいんですよ、溢れても、それで世の中がうまく行けば。

ところが最近、粗悪な模倣記事の比率が多すぎます。

特に、コミュニケーション関係。
ちょうど生活環境が変わる人が多い時期だからなんでしょう。
人間同士のやりとりが7つやそこらの術でうまく行くわけがないんです。
どう振舞っても怒る人は怒るし、フラれる人はフラレちゃうんです、残念ながら。
そういう複雑なものを「ちょっとした工夫」で万事解決する手段が世に溢れている。
そもそも、どんなことにでもそんなにたくさん必勝法はありません。
そうなるとどうやって「必勝法」を増やしていくのか。
単なる「正しい敬語の使い方」「正しい電話応対」を無理やり5つにおさめたり
当たり前の恋愛プロセスを7つに分けて書くわけです。
いっぱしの肩書き名乗っている方々が。「××コンサルタント」とかね。

商売としてどうなんでしょうね、そういうの。

ちなみにこの記事もそういうワードが散りばめられてしまったので
アクセスは普段より多いと思います(苦笑。